住んでいるマンションを売却するときには、できるだけ高く、満足のいく取引をしたいと考えるものです。マンションを売る方法には、売却と買取があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、また大きな金額が動くので、どちらが自分にとってメリットが大きいのかをしっかり検討する必要があります。

売却と買取りどちらがよいのか、詳しくみていきましょう。

マンションを買取で売るメリットとは?

予定通りに進む

マンション買取で売ることのメリットは、予定している期日までに売却が可能になることです。買取時期が決まっているので、いつ売れるか分からずに不安になることがありません。そのため、新しいマンションの購入が決まっていて、住み替えを検討している場合には計画的に売却できるため安心です。

買取なら予定通りに進む

早くお金が手に入る

また、不動産業者に買取をしてもらえばすぐに現金化が可能なので、引越し先のマンションの頭金や引越し費用などに充てることができるでしょう。

不動産業者が対応してくれる可能性がある

金融機関へ交渉

さらに、買取してもらうマンションに住宅ローン残債があるときは、不動産業者が金融機関に交渉してくれる可能性が高いです。金融機関によっては住宅ローンを一括繰上げ返済するときに、予定していた利息が入らなくなるためになかなか応じてくれないことがあります。個人で交渉して時間がかかるリスクを考慮すると、不動産業者に対応を任せることができるのもメリットといえるでしょう。

残債があれば不動産業者が金融機関に交渉してくれる可能性が高い

内覧対応

また、マンション買取は、不動産業者が買取後に内覧対応はすべて対応してくれますので、内覧にかかる余計なストレスはありません。通常、売却は不動産仲介業者に依頼し、買主を探すために広告や宣伝を出して売却活動を始めます。そのため、売却が完了するまでには、早くて数カ月、長い場合には1年近くかかってしまう可能性もあるのです。

マンションに住みながら売却活動をしていると、内覧者が入るたびに対応する必要があり、また内覧した人が必ず購入するとも限りませんのでストレスがたまることもあるでしょう。そういった負担がなくなる点が、マンション買取のメリットです。

内覧にかかるストレスがない

知られず売却

さらに、買取のメリットとしてはマンションを売却することを他人に知られずにすみます。売却の場合は複数の不動産業者に依頼し査定をしてもらったり、不動産業者が同じマンション内や近隣地域で売り物件広告を出したりすることがあります。周囲に売却を希望していることを知られてしまう可能性が高いでしょう。買取は依頼した不動産業者が迅速に対応してくれるので、その心配はありません。

瑕疵保険免除/リフォーム不要

買取のメリットは他にもあります。瑕疵担保責任が免除になること、リフォームが必要ないことです。

個人間の売買の場合には、売主が2年ほど瑕疵担保責任を負わなければなりません。たとえ意図しなかったとしても、売却時には気づかなかった瑕疵を買主から指摘されたとき、場合によっては多額の金額を賠償する必要があるのです。買取の場合は不動産業者に売却するために、瑕疵担保責任が免除になります。さらに、買取はリフォームをしなくても問題ないでしょう。

不動産業者が買取した後、自社で必要なリフォームを行い再販します。そのため、リフォームするための時間が節約できますし、リフォーム費用は考慮しなくてもよいのです。

マンションを買取で売るデメリットとは?

一般の金額よりも低くなる可能性

マンション買取で一般金額よりも低くなる可能性も。。。

マンション買取のデメリットについては、売却時の価格が一般の仲介で売却するよりも低くなることがあげられます。買取金額の目安としては、通常の仲介で売却したときの7割ほどの価格です。そのため、できるだけ高くマンションを売却しないと住宅ローンの残債やその他の借入れなどの関係で困る、などの事情がある場合にはデメリットになりますので、買取には向かないといえるでしょう。

不動産業者は、マンションを相場よりも低く買取りしたうえでリフォームをし、再販して利益を得ることを目的としています。リフォーム費用は不動産業者が負担することになるため、相場よりも低い金額で仕入れをしなければならないことが、買取価格が低めに抑えられる理由です。

しかし、築年数が比較的新しいマンションの場合は、リフォーム費用がそれほど必要でないことが多いです。また、設備も新しいために瑕疵担保責任を負う可能性が低いといえます。そのため、築年数がそれほど経過していないマンションは、売却にかかるスケジュールに余裕があるようであれば、買取よりも一般の仲介で売却を選択したほうが高めに売却できる可能性が高いでしょう。

築年数が経過しているほうがいい

一方、マンション買取は瑕疵担保責任を負う可能性があったり、多額のリフォーム費用が見込まれたりする築年数が経過している物件のほうがデメリットが少ないといえるでしょう。
マンション買取の主なデメリットは、築年数に関わらず買取価格が低くなることです。価格よりも、この時期までに売却しなければならない、ということを優先する場合は、できるだけ複数の不動産業者から買取価格の見積もりをもらい比較することも大切です。

売却より買取が向いている物件とは?

売却するよりも、買取が向いているマンションの特徴はいくつかあります。

まず、築年数が15年以上経過しているために想定される売却価格がそれほど高く見込めない場合です。さらに、マンションは年月の経過とともに建物管理の良し悪しで大きく価値がかわることがあるので注意しましょう。大規模修繕が計画通りに進んでいないと、外壁が汚れていたり、タイルがはげたり、錆が目立ったりしてくるのです。建物だけでなく、管理サービスが悪く共用部分にゴミが落ちていたり、ポストがチラシであふれていたり、ごみ収集所の掃除が行き届いていなかったり、などの状態になると、購入したいという買主はそれほど多く見込めなくなる可能性が高くなります。

また、隣の部屋がゴミ屋敷で悪臭を放つ、事故物件である、近隣の治安に不安がある、などの問題があるマンションは売却が難航するといえるでしょう。価格よりも、できるだけ早くマンションを手放したいと考えているときには、買取で不動産業者にお任せしたほうが確実です。

また、買取が向いているのはマンションをすぐに現金化したい場合や、遠方に引越しすることが決まっていて売却に時間をかけられない場合にも適しているといえます。さらに、売却を依頼したものの、内覧が入らず売却の見込みが全くたたなくて困っているという場合なども買取が向いている物件です。

即時買取と買い取り保証の違いとは?

マンションを仲介で売却するのか、買取にするのか迷うこともあるでしょう。できるだけ高く売却したい、時間にも比較的余裕があるというときは、買い取り保証を検討する方法もあります。即時買取と買い取り保証の違いについてみていきましょう。

即時買取

即時買取は、不動産業者がマンションを即時買取します。買主を探す必要がなく、急いで売却しなければならない場合に適している方法です。

買い取り保証制度は、まず、一般の売却方法でマンションを売り出します。売却活動を一定期間行った結果、売却ができなかった場合はその不動産業者がマンションを買い取ってくれるという保証がついた売却方法です。最初に広く買主を募集することで、相場に近い価格で売却できる可能性があります。万が一、売却できなかったときも、価格は低くなりますが不動産業者が買い取ってくれるため、売却か買取かで悩んだときには検討する価値があるでしょう。

買い取り保証

買い取り保証の場合は、相場の8割から9割の価格で買い取りするケースが多いです。即時買取は相場の7割程度の価格ですので、買い取り保証を選択したほうが、少し高めの価格で売却できる可能性がでてくるでしょう。

まとめ

マンション売却は計画的にすすめることが大切です。複数の不動産業者に相談し、見積を比較してみるのも有効な方法でしょう。買取をしてもらうと瑕疵担保免責、リフォーム不要、などのメリットはたくさんあります。しかし、価格が低く抑えられてしまうデメリットがあるので注意が必要です。

売りたいマンションの築年数や管理状態を確認したり、資金計画や売却にかかわる時間の余裕などを考慮したりしたうえで、納得できる取引をするようにしましょう。