不動産を売買するためには、不動産そのものの費用以外にお金が必要になります。そうした必要経費は、売り主・買い主がそれぞれの立場で用意することになるのです。ここでは、不動産売買時の必要経費について解説していきます。

不動産以外にかかる経費

不動産以外にかかる経費とは?

(1)仲介手数料

不動産を売買する際、ほとんどの場合で売り主と買い主の間に仲介業者が入ります。この仲介業者が入らずに売買が成立することは、近年では極めて希といってもよいでしょう。そのため経費として仲介手数料は必ず考えておかなくてはなりません。

仲介手数料は、国土交通大臣によって規定されており、その範囲内とすることが決められていますので、法外な手数料を請求されることはありません。

手数料は、売買価格によって変動し、基本的に「売買価格の3.15%+6.3万円(消費税込み)」となっています(売買価格400万円以上の場合)。

例えば、5,000万円の不動産を仲介したとしましょう。売買価格の3.15%が157.5万円で、これに+6.3万円すると、163.8万円となります。これが仲介業者へと支払う仲介手数料となるわけです。

なお、支払のタイミングは特に定められているわけではありませんが、契約時・決済時のそれぞれで半額ずつ支払うケースが多いとされています。

(2)譲渡税

もし、不動産を売却することで売り主が利益を得た場合、その利益に対して税金が発生すします。これを譲渡税と言い、売り主の経費のひとつとなるのです。

譲渡税は、不動産を売って得た金額から、その不動産を売買するのにかかった様々な費用や経費を差し引いたものになります。

費用や経費の例
◇土地/建物の購入代金
◇仲介手数料(売り主が購入/売却した時それぞれの仲介手数料)
◇印紙代(購入/売却の両方)
◇登録免許税
◇不動産取得税
◇登記費用
◇ローン保証料
◇測量費

(3)固定資産税

固定資産税は、不動産を所有している場合に支払う必要のある税金です。この固定資産税は、1月1日時点でその不動産を所有者している人に課税されますので、途中で所有者が切り替わる場合は売り主と買い主の間で支払いについて協議をする必要があります。

一般的には月割り・日割りなどで計算して分割することがほとんどで、売り主がまとめて支払うことが多いようです。

 固定資産税の税率については、固定資産税評価額によって毎年代わりますので、必ずその年の課税額を確認して清算額を決めるようにしましょう。

(4)登記費用

登記費用の内訳は、登録免許税と司法書士への報酬となりますが、売り主と買い主で負担する登記費用が異なります。

買い主が負担するのは、不動産の所有権を移す際の登記費用、売り主が負担するのは、所有者が移ることによる住所の変更や相続についての登記費用となります。

(5)測量費

不動産における正確な面積を測量するための費用です。一般的に売り主が負担することになりますが、この費用が必要になるケースには条件があります。

それは、登記簿における面積と、実際の面積が異なる場合です。特に土地や一戸建ての場合、境界線が重要になりますので、正確な面積を明らかにしておかなくてはなりません。

既に正しい面積が分かっている場合は問題ありませんが、売買において改めて測量が必要になることも珍しくありませんので、可能性としては考えておくべき経費だと言えます。

(6)収入印紙代

不動産の売買契約書には、収入印紙を貼り付ける必要があります。この収入印紙代が必要経費のひとつとなります。契約書に貼り付ける印紙の金額は契約金額、つまり売買の金額によって変動します。

その税率は国税局によって定められており、軽減措置などもありますので、あらかじめ確認しておくことをオススメします。

(7)予約金

これは、特に新築の分譲マンションで必要なお金です。よく、マンションの販売広告に「手付け金」などのように記載があると思いますが、それと同じものです。

予約金は、一般的に10万円程度を支払うことになりますが、厳密に言うと経費というわけではなく、売買契約が成立すれば手付け金として購入金額から差し引いてくれるものです。

また、売買契約が成立しなかった場合、当然戻ってくることになります。