不動産仲介業者を介さずに不動産の個人売買、手数料を省いて安くできる代わりに知識と労力が必要になります。個人売買で必要な書類や手続きをまとめました。

不動産個人売買に必要な手続きと書類

不動産の個人売買」この言葉を聞いてみなさんはどんな事を想像しますか?

大変そうだなぁとか、面倒だろうなぁ、トラブルにならなければいいけど、等ネガティブなイメージが多いように思えます。一方、当事者になると「少しでも費用をかけずに取引したい」「家族・親族、友達同士だからトラブルになったりしない」などと都合のいいようにポジティブに考えがちです。

しかし、これは不動産取引です。
中古車やノートパソコン、家具やアクセサリー等とは桁が違います。高額のお金は時に人を変えてしまう事があります。

もし個人売買でトラブルが発生すると、いわゆる法的な問題に発展する確率がかなり大きくなります。もちろん、個人売買をするメリットも多くあります。ただし、そういった『個人売買にリスクが存在する』事もぜひ参考にして、理解した上で冷静に判断してください。

まず、個人間の不動産取引に必要な書類と手続きについて説明します。

書類は…

売買契約書

◆絶対に必要だと言えなくても取引はできますが、基本的にはあって当たり前のモノです。業者の場合、一般的に売り側が作成することが多いですが、個人間の場合は、言い出した方が主体となり、お互いに相談しながら、納得のいくものを作るといいと思います。

◆特約条項…買い手の人が住宅ローンを利用する場合(現金取引以外)は、住宅ローンの審査が通らないと購入できません。そのため、トラブルにならないためにも必ず住宅ローンが組めない場合は白紙撤回できるという特約条項を入れてください。

◆上記でもわかるように契約は住宅ローンを申し込むと同時にします。なぜなら、住宅ローンを組む上で売買契約書が必ず必要になるからです。

◆引き渡しの時期に関する事項…住宅ローンがある場合は、ローンの審査が終わり、融資可能(代金決済可能)になった時点で行います。その際に物件の引き渡し、所有権の移転登記などを行います。

重要事項説明書に代わる双方の確認書類

業者を介して取引すると当然(業)として行っている取引なので宅地建物取引主任者による『重要事項説明』なるものが業法で定められています。しかし、個人間の取引の場合、当然ながら売主が業者ではありませんので義務はありません。

ただし、トラブル回避のために売主側ができるだけ情報を集め、買主に説明してあげるべきです。もし売主がその物件を業者から買っていれば、当時の重要事項説明を参考にしながら作ってみてください。

作るにあたって書いた方がいいことは

◆謄本にのっている情報

◆法令に基づく制限の事項・・言葉は難しいですがその物件のある市区町村の役所に行き、用途地域・建蔽率・容積率・都市計画を聞けばわかります。2時間もかかりません。

◆不動産に付帯する設備等の情報・・私道があれば負担分の割合(謄本に載っています)、電気、ガス、水道の設備状況、配管などを各会社に電話して聞いてください。配管図があるものは必ず添付してください。

個人取引でトラブルの原因はこの部分でよく起こります。例えば水道管が隣の土地から引き込まれていて工事ができなかったなど、後でわかるとトラブルの元になります。

◆ 取引の条件に関する情報・・手付金の内訳や支払い方法、登記の費用負担、もし契約の解除をする場合の処理方法なども記載しておくといいでしょう。

手続きは…

売却価格を決定する

手続きと言うよりは取引のスタートラインで1番にしなければならないことです。これが決まらなければ実質売買もできません。どうやって価格を決めるのかは後ほど説明します。

契約締結までに不動産の取引を管轄する公的機関に相談しておく

今回取引するのはお互いに不動産に関する専門知識がない者同士です。念のために公的機関の指導課などに連絡し、出向いてお互いに作った書類やアクションに不備がないか見てもらうことをお勧めします。

また、念のため民間の各不動産取引業協会の相談窓口などに相談してみてもいいと思います。もしあなたが買主で、銀行で住宅ローンを組む場合は、融資課の行員は不動産取引には詳しいと思いますので、相談してみてください。

契約書や重要事項説明の内容もお金を貸す側からすれば担保となりますので、わからないと融資できません。さらには登記の際の司法書士等も紹介してくれるはずです。

個人売買より仲介業者を介す方が多い理由

最もメジャーな理由は、「面倒で大変だから」でしょう。これまでに説明したことを売主買主の息を合わせて穏やかに、速やかに進めるのは、はっきり言って至難の業です。

取引に対する温度感も売主と買主の双方が全く同じとは言えません。相手のやること、スピードなどに不満が出てきたりするものです。どちらかが合わせなくてはなりませんし、調整するのも当人同士です。さらに、これにお金の話が絡みます。

考えただけでもぞっとする人も少なくないのではないでしょうか?

「契約前のすり合わせでケンカになって取引をやめた」という話はよくあります。つまり取引を成立させる前の時点から業者と取引するよりリスクは高いのです。 


さらに不動産は高額です。『お金が絡むと人が変わる』と前にも言いましたが、この理由でトラブルが発生するケースがよくあります。
特に個人間の場合、『以前から相手を知っている』ケースが多く、相手の替わり様を目の当たりにし、『許せない・納得できない』となり、これがお互いの壁になってしまうのです。 

こんな思いをしたくないと多くの人たちは間に業者を入れて契約を運ぶのでしょう。

知っておくべき、不動産個人売買のデメリット

瑕疵担保責任

個人売買においてのデメリットはお金のトラブルだけではありません。

他にも個人では起きてしまった時に対応できないトラブルがいくつかあります。普段あまり聞きなれない言葉ですが、不動産売買には『瑕疵担保責任』(かしたんぽせきにん)というものがあります。これは不動産取引だけのものではありませんが、高額な不動産取引には問題になるケースが多いです。

ざっと説明すると、売る時、引き渡しの時点では見つからなかった瑕疵(問題や欠陥、不具合)については売主側が責任を持ちます、と言うものです。契約時にきちんとした確認を双方がして明記していない場合、大きなトラブルに発展する可能性が大きいのです。

この瑕疵担保責任については別のページで詳しく解説しているので参考にしてください。総じて個人売買のデメリットはあると言えばたくさんあり、ないと言えば全くないとも言えます。最終的にはお互いの考え方や理解にズレが生じた時、その問題を当事者間で解決しなければいけないのです。

これをするには時間と忍耐と許容が必要になります。



まとめ

仲介という第3者を介すれば、円滑に言いたいことを言い、契約を進めていくことができます。手数料はかかりますが、仲介業者を入れた方が安心ではないでしょうか?