マンションなど、不動産の購入を検討されているみなさまは、固定資産税のことを意識されていると思います。そんなみなさまにもうひとつ意識してもらいたい税金があります。それは、不動産取得税という、都道府県税です。

すでにご存知かもしれませんが、マンション及び一戸建てなどのマイホーム、あるいはビジネスの場としての自社オフィス、賃貸用、投資目的、いずれにしても不動産を取得した際に、不動産取得税と呼ばれる税金がかかります。※ただし、相続によって取得したときには不動産取得税はかかりません。

固定資産税だけではない

固定資産税と違って毎年かかるわけではなく、不動産を取得したときに一度だけ徴収される税金です。

さらには、マンションなどマイホームを購入されるみなさまの負担を軽減するべく、さまざまな不動産取得税軽減措置(還付)が設けられています。しっかりと申告すれば減税になる場合が多いのも特徴です。

固定資産税減税対策はどんなに頑張ったとしても、不動産を所有している途中で法律(税制)が改正される可能性があります。しかしながら、先にも書いたとおり不動産取得税は、不動産を取得したとき1回のみの課税なのです(相続は非課税)。

現在適用されている減税措置(還付)を利用して、上手に節税できたらいいですよね。そのためにはまず、不動産取得税軽減措置(還付)を受けるにあたって、絶対に忘れずにやってもらいたいことがあります。

不動産を取得した日から60日以内に、「不動産取得申告(報告書)」を、不動産所在地の市役所・町村役場、あるいは管轄の県税事務所に届けてください。  

不動産取得申告(報告書)

不動産取得から60日以内に届け出ないと減税措置(還付)が受けられないことがあります。引越しで多忙だとしても、ここは注意しておきたいところです。ちなみに、「60日」という数え方にも注意が必要です。

ここでいう「不動産取得から60日以内」とは、実際に不動産を取得した日時のことであって、登記書き換え手続きをした日時とは関係ありません。何かの事情で登記が遅れることがあっても、「不動産取得申告(報告書)」の提出日程だけは気をつけましょう。

不動産取得税の基準

不動産取得税がどういう基準で課税されているかというと、不動産の所有権が動いたかどうかです。不動産取得税は、法律用語でいうと流通税といい不動産が流通したときに発生する税です。不動産の所有権は動き(=流通)ます。

その不動産の所有権が、流通したかどうかが不動産取得税の課税基準なのです。

なので、上記の考え方に基づいて、不動産取得税は、理論上は、「たとえ1日だけでも不動産を取得していた」という事実があれば、発生します。(固定資産税のように、1月1日の時点で所有していたかではありません。)24時間365日、不動産取得税はかかるのです。

「少しでも」不動産の所有権が動いたら課税されるので、一度成立した不動産取引がキャンセルになったときでも、不動産取得税は発生します。キャンセルの理由が仲たがいか、双方の合意かも関係ありません。※もっとも、そのようなことを県や市町村が知ることは少なく、その場合は結果的に徴税されないことになります。

つまり、不動産取得税は

  • 不動産の登記(有 or 無、有償 or 無償)
  • 期間の長短
  • 不動産取得の手段(売買 or 贈与 or 交換 or 建築)
  • 建築の種類(新築 or 増築 or 改築)

上記の個人的事情にまったく関係なく課税されます。贈与取得でも、誰かと土地を交換した場合も、改築した場合もすべて発生するということです。※ただし、相続は、承継取得(既に存在する不動産を譲り受けた)とみなされ、課税対象から除外されます。 

「そうはいっても、不動産を購入するという一番大きな出費のときに、不動産取得税まで払えない!」と思われますよね。大丈夫です。

いくら不動産所有権が流通したからといって、一律は乱暴すぎるということで、マンションなどのマイホームを購入される方々の負担を軽減すべく、不動産取得税の減税措置(還付)がちゃんと設けられています。

もっとも、自動的に減税されるのではなく、納税通知書により正規の不動産取得税の払込請求を受けた後に、自ら県税事務所に対して還付手続きを申請する必要があります。


詳しく説明すると、まず、不動産取得から60日以内に「不動産取得申告(報告書)」を、不動産所在地の市役所・町村役場、あるいは管轄の県税事務所に届けます。そうすると、折り返し県税事務所から不動産取得税の納税通知書が届きます。

それから、書類を揃えて、不動産取得税減税(還付)手続きを申請します。不動産取得税減税(還付)手続きに必要な書類は下記の5つです。

  1. 不動産取得申告(報告)書
  2. 住宅用土地に係る不動産取得税減額(還付)申請書
  3. 住宅の登記事項証明書(登記簿謄本)など
  4. 土地の売買契約書(売買代金領収証)の写し
  5. 印鑑(認印)

※1、2は市町村役場及び県税事務所にあります。インターネットでもダウンロードできます。

不動産取得税の免税額

まず、不動産取得税は土地(20万円以内)、新築・増築・改築(23万円以内)、その他の家の手入れ(10万円以内)だった場合は、免税になります。

※ただし、先程にもあったように有償or無償を問わず課税されるのが不動産取得税です。もしも、実際のやりとりが20万円以内でも、資産価値が20万円以上あれば不動産取得税の課税対象になるので、注意してください。

不動産取得税の減税(還付)

下記の場合は1,200万円の控除を受けられます。

  • 床面積50平方メートル(戸建以外の貸家住宅40平方メートル)以上240平方メートル以下の住宅を新(増・改)築した場合
  • 上記、床面積内の新築未使用の住宅(建売住宅・マンションなど)を購入した場合

中古住宅の場合は、建築された時期(築何年か)により異なります。また、新築住宅でも、平成24年3月までは1,300万円の控除を受けられたりと、時期によってさまざまな「特例」があります。

さらに、土地に対しても同様で個人住宅用の土地の場合、購入した土地に新築住宅を建てる場合など、減税措置があります。 

不動産取得税の税率

そして、不動産取得税の税率は、土地・家屋とも

不動産取得税={その不動産の適正な時価(減税措置)}×3%

※ただし、住宅用以外の家屋の場合は×4%

ここでの「不動産の適正な時価」とは、実際に不動産が売買取引された価格ではなく、固定資産評価額を基準とすることになっています。ちなみに、固定資産税評価額は、時価の70%ぐらいのことが多いと言われていますが、詳しくは固定資産税評価額のページをご参照ください。

不動産取得税計算ツールの勧め

不動産取得税の計算はとても複雑です。不動産取得税の具体的な金額を算出されたい場合は、不動産得税税率(減税・還付含む)の自動計算ツールを使われてみるといいかもしれません。自動計算ツールは、インターネットで検索すると簡単に見つかります。

計算ツール利用は第一歩としてとても有効ですが、最終的には、市役所・町村役場あるいは県税事務所に相談する、もしくは、専門家の知恵を借りるといったことも大切です。

※たいていの自動計算ツールでは「計算結果に関するトラブルには一切責任を持ちません」と明記されている思います。


不動産を取得するときは、少しでも出費を抑えたいものです。さまざまな特例を賢く利用して円滑にすすめていきましょう。