登記情報提供サービスを知っていますか。登記情報を確認するためには、一般的には役所に出向いて登記情報を請求します。ですが、登記情報提供サービスを利用すると、自宅やオフィスにいながらにして登記情報を確認することができるのです。

ここでは、登記情報提供サービスが、どのようなサービスなのかを紹介しましょう。

登記情報提供サービスって何?

登記情報を確認したいけれど役所まで行く時間がない、または面倒なときは、登記情報登録サービスを利用すると便利です。時間の節約になりますし、お金の節約にもなります。

登記情報提供サービスで時間の節約とお金の節約

一般財団法人民事法務協会
■サービス内容
登記情報を確認できるサービス

■場所
自宅でも仕事場でもインターネットが使える環境があればどこでも
法務省
■サービス内容
登記事項証明書などを請求し、役所の窓口で受け取ったり郵送で受け取ったりできるサービス

■場所
インターネット

登記情報を確認するだけならオンライン申請システムより、登記情報提供サービスを使って登記情報をPDFファイル形式で受け取った方がはるかに便利です。パソコンから即座に内容を確認することができますし、PDF形式なので必用なら簡単に印刷もできるからです。

また、登記情報提供サービスで確認できるのは、不動産の登記簿だけではありません。商業登記簿や法人の登記簿、投資事業有限責任組合契約登記簿なども確認できます。

登記情報提供サービスのメリット

役所などに移動する時間や手間を省ける
登記情報提供サービスの使い方を知っていれば、自宅やオフィスにいながらすぐに内容を確認できる
費用の面
登記情報提供サービスは、役所に出向いて行って証明書を取得するよりも安く済む
オンライン申請システムを使って自宅に郵送するよりも安い

登記情報提供サービスのデメリット

◇登記情報提供サービスは、登記情報を閲覧できるだけのサービスのため、PDF形式の登記情報には法的証明力がない

◇印刷することはできますがそのまま証明書として使うことができないので注意が必要

◇法的な証明書として不動産の登記簿などが必要な場合は、あらためて登記所に出向かないといけない

◇登記情報を検索するときには、住所ではなく地番や家屋番号が必要

その場合、登記所の窓口なら相談に乗ってもらうこともできますが、自宅や事務所で検索をしている登記情報提供サービスではそのようなこともできません。

役所が閉まった時間でも利用することはできるのでデメリットというほどではありませんが、登記情報提供サービスはインターネットを使ったサービスであるにもかかわらず、利用時間が決められています。

利用時間・・・平日の午前8時30分から午後9時まで(土日祝日、年末年始は利用できません)※利用時間が終了すると、情報請求の途中でも切断されることがあるので注意が必要

利用にかかる料金はいくら?

登記情報提供サービスの利用料金
■不動産・商業・法人登記の全部事項
335円

■不動産所有権の登記名義人のみの情報提供
145円

※以前は、全部事項の料金が337円、所有者事項情報が147円だった
平成28年10月1日に改定された
いずれも、指定法人手数料と消費税が含まれている

登記事項証明書を窓口で書面請求すると600円、オンライン請求をして送付してもらうと500円かかります。登記情報提供サービスを利用して、パソコン上で確認したほうが圧倒的に安く費用を抑えることができます。ただし、サービス利用のために登録する場合には初期登録費用がかかります。

利用にかかる料金

初期登録費用
■個人
300円
クレジットカード決済

■法人
740円
銀行口座からの引き落とし

毎月月末までの利用料金を、個人利用の場合は翌月の10日前後にクレジットカード会社に請求され、法人利用の場合は翌月の27日に口座から引き落とされます。

登記情報提供サービスの利用方法

登録者情報提供サービスを個人で利用する方法
登記情報提供サービスのホームページを開く
⇒トップページに利用者別登録メニュー左から2番目「個人利用」の欄に「利用申込」のボタンがあるのでクリック
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「一般財団法人民事法務協会登記情報提供契約約款」と「個人情報の取り扱いについて」を読み「同意する」ボタンをクリック
                                                             ⇓
「個人利用者登録」画面に必要事項を入力※1⇒入力ができたら「次へ」ボタンをクリック
                                                             ⇓
「個人利用者登録確認」の画面が出るので、先ほど入力した内容に間違いがないか確認し、問題がなければ「登録」ボタンをクリック
                                                             ⇓
登録した住所に「登録完了通知書」が郵送で届くまで1週間程度待つ
                                                             ⇓
※2「登録完了通知書」に記載されている「利用者ID」と登録したときに入力したパスワードでログイン
※1.このとき、クレジットカード情報も入力する必要があるので、準備しておくとよい

※2.利用者登録をせずに、一時利用をすることも可能
一時利用の場合は、初回の登録費用はかからない

支払い方法は、個人で登録して利用する場合と同じようにクレジットカード決済です。ただし、登録している場合は末日締めになりますが、一時利用の場合は即時決済になります。

登録費用がかからない一時利用のほうがメリットはありそうですが、デメリットもあります。

一時利用の場合毎回利用者IDを取得し、クレジットカード情報などを入力しなければいけないのです。利用から4カ月間は再ログインすることができますが、すでに取得したPDFファイルの閲覧やダウンロードができるだけです。あらたに登記情報を請求するには利用者IDを取得し、クレジットカード情報を入力する必要があります。

登記情報提供サービスは、初期費用がかかりますが登録して利用したほうが便利です。一時利用は、試しに使ってみる場合か、「登録完了通知書」が届くまで一週間程度かかるのでその間に利用するといいでしょう。

一時利用をするには

登記情報提供サービスのホームページを開き、トップページの利用者別登録メニューの
一番左「一時利用」の欄にある「利用申込」のボタンをクリック
                                                             ↓
「一時利用者登録」の入力内容は「個人利用」の申込みのときとほぼ同じ

※ここではクレジットカード情報を入力する欄はありません
クレジットカード情報は、登記情報を請求するときに入力することになります

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「利用者ID」とログイン画面のURLがEメールで送られてくるのでURLをクリック

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「利用者ID」と自分で決めたパスワードでログイン

※「一時利用者登録」の手続きをしてから30分以内にログインをしないと、ログインできなくなるので注意が必要です。

必要に応じて利用してみよう!

内容だけ確認したいときなど必要に応じて利用

登記情報といっても、いつも証明書としての効力が必要だとは限りません。とりあえず内容だけ確認できれば用は足りるケースは、よくあります。

登記情報提供サービスで請求した登記情報には証明書としての効力はありません。ですが、内容だけ確認したいときには安く登記情報を確認することができます。登録せずに利用することもできるので、必要に応じて使ってみることをおすすめします。